大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(れ)2075 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人A、B、C、D弁護人岡本共次郎、江川六兵衛、木戸口久治の上告趣意第

一点について。

しかし、原判決の証拠説明を見れば、原判決は、Eその他の始末書ばかりを各被

告人の自白の補強証拠としているのではなく第一審第一回公判における各被告人の

夫々判示関係部分に照応する供述を相互の補強証拠として同判示事実を認定してい

ることがわかる。相被告人の供述は、共犯関係にあると否とを問はず互に他の被告

人の自白の補強証拠となり得ることは当裁判所の判例とするところであり(昭和二

二年(れ)第一八八号、同二三年七月七日大法廷判決及び昭和二三年(れ)第一一

二号同年七月一四日大法廷判決参照)、被告人Fを除くその余の被告人等は互に共

犯関係にあるのであるからその共同にかゝる事実全部が各共犯者の関係部分と云う

ことができる。従つて、被告人Fを除くその余の各被告人にかかる所論第一、第二

の事実については、原判決は当該被告人の自白のみを証拠としてこれを認定したも

のではないばかりでなく、前記補強証拠は各被告人の自白の真実性を保障するに十

分であると認められるから、この点に関し原判決は何ら憲法第三八条第三項、刑訴

応急措置法第一〇条第三項に違反するところはない。また、被告人Fにかゝる第三

の事実に関する論旨は、右第一、第二の事実に関する原判決の違法を前提とするも

のであるから、その理由のないことは前段説明するところによつて明白である。論

旨はすべて理由がない。

同第二点について。

しかし、原判決は被告人Fが被告人Aから本件敷布一七〇枚を買受けた事実を認

定したものであつて、被告人Fが所論始末書の作成者たるE外六名に対して右敷布

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一七〇枚を売却又は贈与した事実を認定したものではないから、同被告人の買受数

量と売却又は贈与した数量とが符合しなくとも、必ずしも矛盾するものではない。

記録によれば被告人Fは被告人Aから、本件敷布一七〇枚を買受けた後、更に訴外

Gから同様の敷布一〇枚を買受け、合計一八〇枚中所論のように一七四枚をE外六

名の始末書作成者に売却又は贈与し、残六枚を所持していたものであることが明か

である。従つて、原判決には所論のような理由齟齬の違法はなく、論旨は理由がな

い。

よつて刑訴施行法第二条、旧刑訴法第四四六条に従い主文の通り判決する。

右は裁判官全員一致の意見である。

検察官 茂見義勝関与

昭和二四年五月二一日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官藤田八郎は出張中につき署名捺印することができない。

裁判長裁判官 霜 山 精 一

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